実話を昔話にしてみた(シリーズ1)
こんにちは!
中の人のヒロです(情報専攻の方)
今日は表題のとおり、実話を脚色し、日本昔話を作りました。
ではどうぞ!
___________
むかーし、むかし、あるお寺に20ばかりなる若い修行僧が2人ほどいたそうな。
ある日、2人のお師匠様にあたる僧侶は2人を呼び出し、真面目な顔でこう言いました。
「おまえらには将来、この寺で頑張っていってもらわな困る。どれ、2月後におまえらに簡単な試験を受けてもらおう」
試験の内容は算術、お経、また僧侶となるのに必要な専門知識とのことです。
2人は突然の内容に驚きました。しかし、決まってしまったものは仕方ありません。
僧侶が部屋から出て行くと、2人は勉強に励み出しました。
「なー、陸太郎よ。試験に自信はあるか?」
少し太った腹をした修行僧--勇太郎はやせ細ったもう1人の修行僧にそう尋ねました。
「うーん、大丈夫だと思うぞ。わたしはお経に関してはほぼ暗記してるからな。少しは間違うと思うが、それくらいならお師匠様も許してくれるだろう。私は残りの算術と専門知識を頑張ることにするよ」
自信満々に陸太郎はそう言うと、算盤を手に取り、算術の勉強を始め出しました。
それを見て、遅れて勇太郎も机に向かいます。
1ヶ月後、2人の勉強の様子に差が生じ始めました。
お経を勉強する必要のないと感じた陸太郎が、1つの試験を勉強しない余裕からか、手を抜き始めたのです。
勇太郎は再び陸太郎に問います。
「おいおい、陸太郎や。そんな余裕をこいて失敗しても知らんぞ」
「大丈夫、大丈夫」
いくら勇太郎が注意しても、陸太郎は大丈夫の一点張りです。
勉学に励む勇太郎はそんな友人を見ますと、重く溜息を1つ吐き、試験に向けて、筆を再び動かし始めました。
試験当日、僧侶は再び2人を呼び出しました。
「おまえ達、しっかりと勉学に励んだか?」
「「はい」」
「そうか、そうか、ではその頑張りの成果を見せてもらおうか。まずはお経を2人に読んでもらおう」
僧侶の合図に合わせて、2人はお経を読み上げ始めます。
「「南無阿……」」
………………
............
......
...
試験終了後、2人の修行僧は共にやりきった顔をしていました。
「陸太郎、お疲れ様です。試験はどうでしたか?」
「うん、お経の間違いもほぼ無く、算術も専門知識もほぼ正解してると思いますし、大丈夫でしょう」
陸太郎は自信満々にそう答えます。
そして、ついに試験の結果を伝えに、僧侶がやってきました。
「2人ともよく頑張った。共に試験は中々の出来であったぞ」
2人は顔を合わせて微笑みます。しかし、僧侶は「だが......」と言葉を続けます。
「陸太郎、お前はお経の勉学を少し怠ったな。他は悪くはないが、お経は全然上達しておらぬ」
お経とは僧侶になる上には避けられないものであり、その勉学を怠るのは愚の骨頂です。僧侶はきつく陸太郎をしかりつけました。
「陸太郎、お前はこの試験不合格とする」
「はい、分かりました......」
「陸太郎、別の寺で修行し直してきなさい」
僧侶は陸太郎にそう告げると、すでに纏めていた荷物を渡します。
陸太郎はそれを受け取ると、勇太郎に別れを告げ、お寺を後にするのでありました。
その後、彼がどうなったかは陸太郎本人のみぞ知る。
ーーーーーーーーーーー
あー、文章がグチャグチャでごめんなさい。
思った以上に昔話の口調が難しくて、上手く書けませんでした。
以降、解説
陸太郎→友人A
勇太郎→友人B
僧侶→研究室の先生
試験→院試
お経→TOEIC
算術→数学
専門知識→専攻分野の専門知識
別の寺→別の大学院
「大丈夫」→「大丈夫」
教訓:自信があっても詰めを誤らないこと。気軽に「大丈夫」とは口にしない