白い部屋②
早速、僕は連絡先に電話すると、その日のうちに働くことが決まった。
詳しい内容が僕のメールアドレスにpdf形式で送られてきたが、大したことは書いていない。
外部との連絡が禁止なため、携帯電話やPCなどは許可されないという持ち込みの制限が書かれているだけだ。
一方、外部との連絡手段とならない携帯型ゲームや漫画などの持ち込みは無制限。
前金として100万円を口座に送るから、それを使って、持ち込むものを用意しろとのことだ。
もともと外部との連絡なんて一切してこなかった僕にとってその程度の制限は痛くも痒くもない。
ってかもともとコミュ症の僕にとって、携帯電話なんて必要なく持ってなかったしね。
僕はとりあえずネットカフェの中で軽く身嗜みだけを整えて、早速ゲームや漫画など、必要な物を買い揃えに出かけた。
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そしてついに仕事始まりの日
高卒もしていない僕によく分からないが、何らかの研究施設みたいなところにやってきていた。
白衣を着た人物に厳重な警備を敷かれた扉の前に案内される。
その扉は例えるなら、どっかの銀行にある地下金庫だろうか。
僕が感心している間にも研究員が何やら扉の前にあるボタンをピコピコ押していく。また同時並行で僕にここから何があろうと1年出られないが、構わないか? と念押しの言葉を送ってきた。
何を今更。誰にも邪魔されない引きこもり生活。
こっちとしては1年だけじゃなく、もっと期間の延長をしてほしいぐらいだ。
その旨を伝えると同時に開く扉。
研究員の笑顔が歪むのが見えた。
僕は扉をくぐり中に入る。
大きさ的には小学校の体育館ぐらいだろうか?
1人で暮らすには充分すぎる大きさだ。
またあたり一面の壁はしみ一つない白に統一されており、また不思議な気持ちにもなる。
辺りを忙しくチラチラ見る間に次々と係員の手によって持ち込まれる荷物類。
実は、1年済まないといけないことを考慮し、結局さらに100万前金として用意してもらい、娯楽品を思いつくのみ買い占めていたのだ。
これで遊ぶだけで1000万貰えるとは……
本当いい仕事を見つけたものだ。
荷物が全て運び込まれると、係員達は部屋から出て行く。同時にキー、ガシャッと音を立てて閉まる扉。
僕の1年堕落生活が今から始まります。