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hiro-shugo’s diary

グダグダ雑談日記

三日月⑧


次の日、私はカーテンのすき間からの木漏れ日で目を覚ました。


私はカーテンを広げ、大きくケノビをする。


空は雲一つない青空


検査の結果が気になりつっかえていた私の心まで晴れてくる。本当いい天気だ。

 

確か今日は昼からパパとママが来るはず。

 

その後にお医者さんから診断を聞くことになっている。

 

最初はパパとママだけで話を聞くことになっていたのだが、お願いすると一緒に聞いていいことになったのだ。

 

今の時間は時計がないから分からないけど、太陽の位置を見る限りまだ朝だ。

さてそれまで何をしようか?


私は考えながら個室を出ていく。

外に出ることは禁止されているが病院内を歩くのは許可されている。


勝手に進む足に行く先を任せる私

気づいたら神崎君の部屋の前まで来ていた。


そのまま通り過ぎることも考えるが、意を決してドアを叩いた。

 


コンコンコン

一回で返事がなかったらそのまま帰ろう。

そう考える私だがすぐに神崎君の声が聞こえた。


「どうぞ。」


私は返ってきた言葉に安心し、ドアに手をかける。

 

が……


いざ開こうとすると中々開くことが出来ない。

昨日仲直り出来たとは思うけどやっぱり不安だ。

 

私がドアに手をかけたまま動けずにいると、コツコツと歩く音が聞こえてきた。

ドアが開かないことを不審に思ったのかもしれない。


私は少し申し訳ないと感じながらも、とうとうドアを空けた。


「おおっ、御堂か?」


目の前に神崎君の顔

ドアの前まで来ていたようだ。


「おはよう、神崎君。もし起きたばかりだっならゴメンね」

「いや、大分前から起きてたから大丈夫だよ。手術受けると決めた日から目がさえててな」


そう言う神崎君の目は確かにパッチリとしている。

昨日も明るかったが、どうやら完璧に立ち直ったようだ。

 


私がフフッと笑うと、神崎君は何か思い出したように喋りはじめた。


「そうだ。座れよ。たったままじゃ辛いだろ」

 

椅子に座るように神崎君が促す。


私は遠慮なく座らせて貰うことにした。


「そういえばさー、ここに来ても大丈夫なの? 安静にしてた方が……」

「うん、外に出ない限りは自由にしていいって。庭も駄目らしいからここに来たんだ」


すぐに入れなかったけどねと付け加える。


「へぇー、そうだったんだ。俺も御堂の部屋行こうかなって思ったをだけど一人じゃ行きにくくて迷ってたんだ」


「来れば良かったのに。ノックさえしてくれるならいつ来てもいいよ」

 

私がそう答えると神崎君は嬉しそうに笑う。


そして……


「昨日、御堂の病院に行ったあと手術の日が決まったんだ。何でも早い方がいいらしく、来週することになった」


そう告げた。

 

突然のことにビックリするが今彼の目は明らかに前を向いている。

 

この目なら成功する。根拠はないが、私は強くそう感じだ。


「うん、頑張ってね。応援しているから」

 

彼とお喋りするのは本当に楽しい。

私がもうすぐ死ぬと分かっていても、同情することなく普通に接してくれる。


どこかの担任とはえらい違いだ。

 

その後、2.3時間ほど喋り、もうすぐ昼だと感じた私は、自分の病室に帰ることにした。

 

部屋に着き十数分、ついにパパとママがやってきた。

 

二人の顔は不安が漂っている。

 

そんな状態で話を聞きたくないと感じた私は笑顔で挨拶した。


「パパ、ママこんにちは」

 

他の人は親に「こんにちは」って言う機会はあまりないだろうけど私はよくある。


パパとママは「こんにちは、恋歌」と返してくれた。


そして、しばし会話を交わした後、ついにその時が訪れる。

 

パパとママの足取りは重そうだが、私は青空のせいか…覚悟を決めているせいかそれほど重くなかった。


しかし……その心持ちはすぐに絶望へと変わる。

 

 

 

 

 

 


「――寿命はあと三ヶ月と考えて下さい」

 

 

そう医者に告げられたのだ。

泣きじゃくるパパとママ


私も覚悟をしていたはずなのに涙がただ流れ、何も考えることが出来なかった。