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hiro-shugo’s diary

グダグダ雑談日記

三日月③

小説









キンコーンカンコンーン

始業式も無事終了し、今日の終業を告げるチャイムが学校中に鳴り響いた。

 

といっても今年度初登校日だけであってまだ時計が指す針は12時ぴったり

 

私は鞄に荷物をしまい、教室を後にする。

 

途中、友梨にどっか行こうと誘われたが用事があるからと断った。

 

友梨には詳しく言えないが、それはそれはとても大事な用事。

 

今日は病院の定期検診があるのだ。

 

学校を出てすぐのところのバス停に向かい、そこにある椅子に座る。

 

青い色の背もたれもないベンチ。

大きく欠伸をするとそのまま後ろに倒れてしまいそうだ。

 

退屈を紛らわすかのようにキーホルダーが新たについた携帯をポチポチと触る。


しばらくするとバスがやってきた。

 

ここから病院までは約10分

近くにある席に腰を下ろし、静かにその時を過ごす。


病院に着くと私は慣れた様子で手続きをとった。

 

しばらくして名前を呼ばれ、私はいつもの部屋に向かい、いつもの先生から問診をうける。

最近の体調から私の友達の話といった関係のないことまで


私はこの時間が何故か好きだった。

 

 

 

 

楽しかった時間もすぐに終わり、私は診察室を出た。

 

お金を払うために待合室で名前を呼ばれるのを待つ。

 

とその時私は会いたくない人と目があってしまった。

 

何でこんなとこにいるの? まさかつけてきた?

私の頭の中でありえもしない思考がグルグルと私を襲う。

 

私はその人物から慌てて目をそらすが、もう時はすでに遅し


私の会いたくないやつは私を見つけ、一歩また一歩と近づいてくる。

 

そして私がどうすることも出来ない間に、とうとうあいつは私の目の前までやって来てしまった。


「御堂さん、今日、診察日だったのですか?」

「はい、そうです。先生はなんでここに?」

 

そう、私の会いたくない奴とは私の担任の先生。

私はこいつが嫌い。

 

それでも担任と言うこともあり、一応礼儀正しい態度をとっている。

 

「そうなの……、私は生徒の見舞いに来たんだ。神崎命っていう…あなたと同じクラスメイトなんだけど。今病を患って入院しているの」

 

先生は私の顔色を伺うように説明する。

 

 

こういったところが嫌いなのだ。

この同情の篭った視線が甚だ鬱陶しい。

 

「そう言えば一人休んでましたね。悪いんですか?」

 

「いや…悪いっちゃ悪いんだけど御堂さんほどじゃあ……、そうだ! 御堂さんも一緒に来てくれない? 新学期が始まる前から行ってるんだけど何だか嫌われてるみたいなんだ」


それもそうだろう。この先生の病人を見る目は本当に酷い。「先生、私も嫌いです。その神崎って子の気持ちが痛いほど分かります」

私が空気を読まない子なら思わずそう叫んでることだろう。


「分かりました。私でよければ」

 

まぁ、それとこれとは別の話。診察も終えたし、その子と話すのことに別段問題はない。

 

快く引き受けるが、同時にある不安が脳裏をよぎる。

 

私の病気の事を知ってる先生。

今まで何回も皆に言わないようにと言ってるのに、同情やなんちゃらでその子に私のことを言ってないだろうか?

 

「ちなみに、彼は私のことに関しては?」


「知らないわ。御堂さんの事すら知らないと思う」

 

私はそれを聞き、すっと胸を撫で下ろす。

丁度、その時受付の人に名前を呼ばれた。


「先生はそこで待ってて下さい」

私は先生をこの場に待たせ、ゆっくりと受付へ向かう。

診察代を払うとまた先生の元に戻った。


「じゃあ、行くか」

先生は私を見て、立ち上がると近くのエレベーターに向かい神崎君がいるだろう階のボタンを押した。

エレベーターはゆっくりと上がり、目的の階に着く。

病室はエレベーターを出てすぐの位置にあった。