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hiro-shugo’s diary

グダグダ雑談日記

三日月11

小説

ほのぼのとした空気の中、会話を交わす私達

お互いの顔がほぐれてきたとこで神崎君の顔に急に真剣味がやどる。


「御堂……俺はこの通り手術を無事に終えることが出来た。だから次は御堂の番だ」

 

「えっ?」


「二十歳まで約4年まだ残ってる。それまでに治療法が見つかるかもしれない。だから諦めるな」


神崎君はジッと私の目を睨む。

その目はとても鋭いが、どこか優しさを感じられる。


「うん……でももう無理だよ」

 

だからこそ本心を打ち明ける。

まだ神崎君は私に残された時間を知らない。知れば彼も無理だと分かるだろう。


「なっ……何でだよ。俺にあれだけ怒ってたのに何でもう諦めてん――」

 

「もう私には残された時間が3ヶ月しかないの」


必死に訴えかけてくる神崎君に最後まで言わせず、私は言葉を滑りこませる。


それにより神崎君の言葉が止まった。

 

「ちょ……それどういうことだよ」


そして一幕あいて問いただしてくる神崎君


私は医者に言われたことをありのまま話した。

 

「そうか……いや……でもそれでも諦めるなよ」


神崎君の表情は至極固い。

 

病気だった彼だからこそ、3ヶ月が物凄く短いことを分かっているのだろう。

 

仮に治療方法が見つかってもすぐにそれは行うことができない。しかもここは日本。

 

日本という国はどこの国よりも新治療法に積極的ではない。

 


術後にも関わらず私のもとに歩いてくる神崎くん。


その表情に宿るのは同情ではなく、悲しみ

 

私が死ぬことで好きな人が悲しんでくれるのは、複雑でもあったが、少し嬉しくもあった。


私はもう生きられない。


神崎君は私のために涙を流してくれていた。


「ううん、もういいの。でも残された人生は出来るだけ楽しみたいの。出来るだけ早く学校に来てね。」


開いた窓からそよぐ風

それはただ私の髪を揺らしていた。